「過去のない男」2002年公開のフィンランド映画 (日本は2003年)
監督=アキ・カウリスマキ
2002年カンヌ国際映画祭グランプリ、主演女優賞受賞、
サン・セバスティアン国際映画祭国際批評家連盟賞、
ハンブルク映画祭ダグラス・サーク賞など、
多くの賞を受賞しています
数年ぶりに鑑賞しました
タイトルからくる重暗しさは感じない映画です
むしろクスッとしたユーモア、おかしさがあります

夜行列車に乗ってヘルシンキへとやって来た男
暴漢に襲われ、
そのショックで全ての記憶を失ってしまう
男は海辺のコンテナハウスに住む
貧しい一家に助けられます
この家の主人が男に言います
「人生は後ろには進まない 過去に進んだら大変だ」
熱いセリフやドラマティックな展開はなく
静かに、ゆるくストーリーが進みますが
そのなかに確かな時間の流れがあります

警察や職安など
社会のルールは男には冷たいけれど、
隣人たちは
男の名前など知らなくてもかまわない…☆
コンテナの主人が男に言います
「給料が入ったからビールをおごるよ
それくらいなら妻にばれないだろう 多分…」
男は出がらしのティーバックを
レストランに持ちこみ
「お湯はいくら?」と尋ねる
店の人は「無料よ」と無表情に答える
そこかしこに
やさしさとおかしさがあります…☆

出演した犬(役名ハンニバル 名前はタハティ)も
カンヌ映画祭のパルムドッグ賞を受賞♪
出番はさほど多くないですが、
素直ないい演技(?)でした ♪
クレイジーケンバンドの「ハワイの夜」
が挿入歌で流れます♪♪
お金はなくても十分楽しく生きていける
人生すてたものではない
悲壮感を感じさせない
観終わったあとの不思議な温かさ…
じんわりと余韻が残る映画です…☆☆
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