
作者の星野道夫さんは、
20代でアラスカで生きることを決め、
1996年にアラスカの地で急逝されました。
作品との最初の出会いは
数十年前の星野道夫写真展でした。
可愛い動物たち、澄みきった空や海、
心がほぐれました…☆
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「長い旅の途上」星野道夫著
第一章
タイトル”はじめての冬”より
アラスカに移り住み、
家庭を持ち、父親になった著者
まだよちよち歩きの息子への
思いがつまっています。
☆好きなページです☆
「まだ一歳にもならぬ息子が、
黄葉が散り始めたベランダに座り
9月の秋の風に吹かれている。
…………
風がシラカバの葉をサラサラゆらすたび、
彼はサッと世界に目を向ける
そんな子供の一瞬の瞳に、
親の存在などとは関係なく、
一人の人間として
生きていく力を感じるのはなぜだろう」
そして今は12月、
マイナス30度の大気の中で
子どもの頬が赤く染まっている
僕にとっては18年目の、
息子にとってははじめての
アラスカの冬がめぐってきた

子どもの持つ生命力に驚きながら、
生と死が隣り合う
あっけないほどの脆さも感じている
その脆さを意識すればするほど、
愛しくなってきてしまうのだ」
***☆******☆****☆*****
いまの時代
星野道夫さんの自然のとらえ方、
かかわり方、向き合い方が
より心に響きます…☆
人と自然のかかわり方の原点を、
アラスカで見つめ続けた方です。
星野道夫(1952年9月27日 - 1996年8月8日)
- 星野道夫さん
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厳しい自然、かわいい動物たち、
原住民との出会い、オーロラ、氷河…等々
どのページも心に響きます。
第Ⅲ章 自然のささやきより
アラスカに暮らして十八度目の冬が過ぎようとしている
多くの選択があったはずなのに
どうしていま自分はここにいるのか”
”その不思議さに思いをはせることはないだろうか”
”きっと私たちは
多くの選択などないのかもしれない
それぞれの人間が行きつくべきところに
ただ行き着くだけである”

”自然はいつも 強さの裏に脆さを秘めている
私が魅かれるのは
生命の持つその脆さの方だ”
”アラスカの大地は
忘れていた人間の脆さを そっと呼び覚ましてくれる”
「長い旅の途上」星野道夫著
1952年9月27日~1996年8月8日
テレビ番組の取材中、ロシア・カムチャツカ半島で
突然のヒグマの事故により急逝。
それまでの写真集やエッセイなどを収録して
遺稿集として一冊にまとめられた本です。
- 星野道夫さん
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