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Bonne Voyage!





辻征夫さんの詩 「船出」 "ひとあし先に 船出するんだね  船長…" :: 2022/07/29(Fri)

辻征夫さんの詩とのはじめて出会いは
この「船出」でした。

心が揺さぶられました!

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「船出」 

たとえば医師のリプシー先生
郷土のトレローニさん スモレット船長
立派な人はほらこんなにいたのに
どうしてぼくたち あの無頼漢たち
海賊の方にあこがれたのだろう
……………………
いまも生きているにちがいないジョン・シルバー
捕まれば処刑場に高く吊るされるかれらに
ぼくも従兄弟もあこがれて
海賊になろうねと誓ったのだったが
もう何年になるだろう
病院のベッドで眼を見開いたままの従兄弟に
ぼくはささやいた

ぼくたち海賊にもならず
妻を娶り 家庭を作り 働いたね

高く吊るされることはなかったけど
いつのまにかぼろぼろになっちゃった

じゃ ひとあし先に
船出するんだね 船長

月も明るく

海は静かだよ

5海

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 谷川俊太郎 ”かなしみ” 透明な過去の駅で… :: 2022/07/25(Mon)

あの青い空の波の音が聞えるあたりに
何かとんでもないおとし物を
僕はしてきてしまったらしい

透明な過去の駅で
遺失物係の前に立ったら
僕は余計に悲しくなってしまった

「かなしみ」谷川俊太郎詩集 20億光年の孤独より

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この詩とはじめて出会ったとき
似たような感覚を覚えてハッとしました。
とんでもないおとし物をしているような…
記憶のどこかに埋もれてるのかもしれません

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