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Bonne journée

良い一日を! これまで見てきた好きな映画、詩、本、京都の街歩きなど、綴っています。




茨木のり子詩集 ~みずうみ~ 心の底に しいんと静かな湖 :: 2023/04/14(Fri)


これからも ずーっと
心にとめておきたい一遍です…☆☆

   「みずうみ」 

<だいたいお母さんてものはさ
 しいん
 としたとこがなくちゃいけないんだ>

 名台詞を聴くものかな!

 ふりかえると
 お下げとお河童と
 二つのランドセルがゆれてゆく
 落葉の道

 お母さんだけとはかぎらない

 人間は誰でも心の底に
 しいんと静かな湖を持つべきなのだ

 
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 田沢湖のように深く青い湖を
 かくし持っているひとは
 話すとわかる 二言 三言で
 
 それこそ しいんと落ちついて
 容易に増えも減りもしない自分の湖
 さらさらと他人の降りてはゆけない魔の湖

 教養や学歴とはなんの関係もないらしい
 人間の魅力とは
 たぶんその湖のあたりから
 発する霧だ

 早くもそのことに
 気づいたらしい
 小さな
 二人の
 娘たち

~茨木のり子詩集より~

・・・・・☆・・・・・・・・・・・・・・☆・・・・

父方の祖母は
おおらかで
とても明るい女性でした☆☆

そんな祖母に、
なにか静かなもの…
さみしさのような
ひっそりしたものを
幼心に感じることがありました。

いま思えば
”しいんと静かな深い湖”
を持った女性だったのかもしれません。

この詩を読む度
問いかけています
自分の心に湖はあるのだろうか…
一生涯追い続けそうです…(*゚ェ゚*)


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【ピーナッツ】 ~自分で選んだこの迷路~ :: 2023/04/03(Mon)

 春…もの想う花の頃です…♪♪

スヌーピーとルーシーの会話から
こんなものを見つけました♪

ルーシー1

ルーシー
 It has come here before one is aware!.
 いつの間にか ここまで来てしまったわ!

スヌーピー
 No "Before one is aware"
 it This maze where it chooses for myself and it has walked
 いつの間にか じゃない、
 自分で選んで歩いてきた この迷路

"道"ではなく"迷路!"

スヌーピーの深い人生訓には
いつも敬服しています!

自分を振り返ってみますと
遠く先に うっすらと
道が見えた気がしましたが
やはり迷路でした…(*´~`*)

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ルーシー(Lucille Van Pelt)のプロフィール
おしゃべりで
いつも強気な女の子
基本料金5セントで
みんなの悩みを聴く
カウンセラーをしている

出典 (A PEANUTS BOOK featuring SNOOPY 谷川俊太郎訳)より


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篠田桃紅さんVOL2~我が立つ杣に 冥加あらせたまへ~ :: 2023/03/26(Sun)

前回に続き、
篠田桃紅さんの著書
「百三歳になってわかったこと」から~

第4章で
”杣(そま)”という言葉に出遭いました。
元々は、
滑り落ちそうな山の斜面で、
修行僧などが、安心して休める
少し平らな場所

3比叡山(比叡山)

~新古今和歌集のなかの最澄の歌~

「阿耨多羅三藐三菩提の仏たち 
わが立つ杣に 冥加あらせたまへ」 
=アノクタラサンミャクサンボダイのみ仏たちよ
私の立つこの比叡の杣山に
仏の恵みをお願いします

この歌は、
最澄が比叡山に
延暦寺を建立したときに
詠んだ歌だそうです。

覚えのある歌でしたが、
詳しい意味は知りませんでした。

人生は長くて、平坦な道ばかりではない、
山あり谷あり、
時には濁流に流されそうなことも。
つかのま…心休める小さな場所、
安心していられる場所

それが  ”杣(そま)”

人それぞれの”そま”…
つかのまの安心できる場所…
心に染み入ります!

篠田さんは、
50年来、ご自分の書 ”我が立つそま”
を大事に手元に置いておられるそうです

これまで、作品を通して
出遭ってきた先人女性たち
茨木のり子さん、山崎豊子さん等々

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なかでも桃紅さんには圧倒されています…(*゚Q゚*)


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~篠田桃紅さん~過去を見る自分の目に変化が生まれる :: 2023/03/22(Wed)

篠田桃紅さん
(1913年3月28日~2021年3月01日)

「人間は究極に孤独なもの、
誰も受け止めてくれない、一部を共有してるだけ
孤独ってものは、つらいとか耐えるとか、
そんな次元のものではない
はじめから決まりきってること、生き物の当然の姿…」

随分前に見たNHKドキュメンタリー
「墨に導かれ 墨に惑わされ」のなかで
言われていました。

それも、さらりと、清々しく!!

その後、すぐに読み始めたのが
著書「一〇三歳になってわかったこと」 です。

1章から4章まで~どのページも深いです!

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”私には死生観がありません”
「人の領域でないことに思いをめぐらせても
真理にちかづけない
それなら一切を考えず、
毎日を自然体で生きるよう心がけるだけ」

”どうしたら死は怖くなくなるのか”
「人は老いて、日常が無の境地に至り、
やがて本当の無を迎えるそれが死だと、
そう感じるようになりました」

若い友人に
”どうしたら死は怖くなくなるのか”と尋ねられ
”考えることをやめれば怖くない”
と答えられたそうです。

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”過去を見る自分の目に変化が生まれる”
「歳を重ねたことで、
ものを見る目の高さが年々上がってくる
同じものが少し違って見えてくる、
ある人を思い出すときも、
その人の違った面が新たに見えてくる」

篠田桃紅著 「一〇三歳になってわかったこと 」より

~~~~~~~~~~~~~~~

日々の出来事へのとらえ方、向き合い方が
少しつかめたような
ああ~そういうことだったんだ…ということ
過去を見る目の変化…
ここ数年
確かに、自分の中でも感じます…☆☆





テーマ:この本読みました - ジャンル:本・雑誌

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谷川俊太郎 ~おとうさん~ おとうさんでも ころぶんだ :: 2023/02/28(Tue)

「 おとうさん」 

おとうさんが ころんだ
おとうさんでも ころぶんだ
わらっちゃった でも
すこし こわかった

ほっぺたを すりむいて
はずかしそうな おとうさん
へいのうえで ねこがみてた
しっ あっちへいけ!

谷川俊太郎詩集より

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谷川俊太郎さんは
なにげない日常の一瞬を
怖いくらいの感性で
とらえてしまいます。

「父と息子」をテーマにした
いい詩がたくさん~!

なかでも
この詩は大好きな一篇です。

胸がいっぱいになります…☆☆


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