「クリクリのいた夏 1999年」
監督ジャン・ベッケル
原題はLES ENFANTS DU MARAIS
(沼地の子供たち)
フランスでは
200万人の観客を動員した映画です!

1930年代、
クリクリという名前の女の子が育った
フランスの田舎の村が舞台です。
”私の思い出はあの春に始まる”
大人になったクリクリが
昔を思い出しながら
物語の語り手になっていきます。

「いまもおぼえているあの薔薇の香りを…!」
クリクリの記憶の中のやさしい大人たち…、
★復員兵で一人暮らしのガリス、
★クリクリの父親リトン、
★大富豪になり村を離れた老人ペペ、
(演じたミシェル・セローがいい感じです)
★音楽や文学をこよなく愛する男性、
★薔薇の邸宅に住む上品なマダム…。
タイトルバックは深い森の中から…
ガリスがスズランを摘んでいる場面です。
季節は初夏
スズランをブーケに束ね
町まで売りに行くのですが
村の住人が言います。
「人は貧しくても、じゃがいもよりスズランを買う」
リトンが答えます
「スズランはじゃがいもより夢があるからさ!」

時おり翳りもみせるガリスですが、
他者への
いっぱいのやさしさを持った男です…☆☆
森や池から日々の糧を得、
沼のほとりで
親しい仲間とワインを酌み交わす
小さな衝突もあり
それぞれが
寂しさや哀しみも抱えながら
沼地での暮らしの日々が
過ぎていきます…☆
人が生きることの懐かしさのにおい
幸せな気持ちが残る映画です…☆☆
***
フランスでは、
5月1日のすずらんの日(JOUR des MUGUETS)に
愛する人、大切な人にスズランを贈ると
幸せを呼ぶと言われています♪♪
- 映画ベスト
-
-
| comment:0
「過去のない男」2002年公開のフィンランド映画 (日本は2003年)
監督=アキ・カウリスマキ
2002年カンヌ国際映画祭グランプリ、主演女優賞受賞、
サン・セバスティアン国際映画祭国際批評家連盟賞、
ハンブルク映画祭ダグラス・サーク賞など、
多くの賞を受賞しています
数年ぶりに鑑賞しました
タイトルからくる重暗しさは感じない映画です
むしろクスッとしたユーモア、おかしさがあります

夜行列車に乗ってヘルシンキへとやって来た男
暴漢に襲われ、
そのショックで全ての記憶を失ってしまう
男は海辺のコンテナハウスに住む
貧しい一家に助けられます
この家の主人が男に言います
「人生は後ろには進まない 過去に進んだら大変だ」
熱いセリフやドラマティックな展開はなく
静かに、ゆるくストーリーが進みますが
そのなかに確かな時間の流れがあります

警察や職安など
社会のルールは男には冷たいけれど、
隣人たちは
男の名前など知らなくてもかまわない…☆
コンテナの主人が男に言います
「給料が入ったからビールをおごるよ
それくらいなら妻にばれないだろう 多分…」
男は出がらしのティーバックを
レストランに持ちこみ
「お湯はいくら?」と尋ねる
店の人は「無料よ」と無表情に答える
そこかしこに
やさしさとおかしさがあります…☆

出演した犬(役名ハンニバル 名前はタハティ)も
カンヌ映画祭のパルムドッグ賞を受賞♪
出番はさほど多くないですが、
素直ないい演技(?)でした ♪
クレイジーケンバンドの「ハワイの夜」
が挿入歌で流れます♪♪
お金はなくても十分楽しく生きていける
人生すてたものではない
悲壮感を感じさせない
観終わったあとの不思議な温かさ…
じんわりと余韻が残る映画です…☆☆
- 映画ベスト
-
-
| comment:0
ドキュメンタリー映画
「劇場版」 荒野に希望の灯をともす
ずっと見たいと思っていました。
先週土曜日に
京都で上映会がありましたので
鑑賞してきました
_convert_20230123121513.jpg)
_convert_20230123121558.jpg)
戦火のアフガニスタンで21年間継続的に記録した映像から、
これまでテレビで伝えてきた内容に未公開映像と現地最新映像を加え劇場版としてリメイク。
混沌とする時代のなかで、より輝きを増す中村哲の生き方を追ったドキュメンタリー。
”映画の案内チラシから”
やはり大きなスクリーンは
真に迫ってくる感がありました!
_convert_20230125183226.jpg)
中村哲さんの訃報はほんとうに衝撃でした。
これまで
アフガニスタンでの活動は
テレビ映像や著作等で目にしていました。
_convert_20230124150526_convert_20230125181355.jpg)
亡くなられてから出版された本です
”希望の一滴”アフガン最期の言葉
_convert_20230124150740.jpg)
_convert_20230124151231.jpg)
~裏表紙のことば~
★結論は無用、実行あるのみ
★一隅を照らす
★誰もがそこへ行かぬから、我々がゆく
誰もしないから、我々がする
とてつもなく大きな足跡を残されました…☆彡
~石橋蓮司さんの朗読は
力強いのですが
映像に入り込みすぎず
いい感じでした~
- 映画ベスト
-
-
| comment:0