~第6章から~
美しい日没の場面
「王子さま」と「僕」との会話です
王子さまの住んでいた星は
とても小さくて
座っているイスを
ほんの少し動かすだけで
日に何度も
日が沈むのを見ることができました
王子さまは言いました
「いつか、僕は44回も夕日を見たよ」
そして付け加えました
「Tu sais… quand on est tellement triste
on aime les couchers de soleil… 」
「だって… 人は悲しいときには
夕日が見たくなるものだから…」
僕は訊ねます
「Le jour des quarante-quatre fois
tu étais donc tellement triste?」
「一日に44回も夕日を見るなんて、
そんなに悲しかったの?」
でも王子さまは何も言いませんでした
答えのないまま
6章はこのフレーズでスッと終わります

小さな王子のかかえる
ことばにならない悲しみが胸に迫ります…☆
読み手側の
それぞれが持つ悲しみとも
何処かでつながっていくように思います…☆
- 星の王子さま
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この本と出会ってから数十年、
歳を重ね、人生の節目で思い出し
また読み返しています。
著者のサン=テグジュペリは
飛行中に砂漠に不時着し、
奇跡的に遊牧民に救出されました。
生と死をつきつめていくことになった
その体験から生まれた作品です
大人は数字が好きVOL4~から
数字を優先に考えている大人に対して
王子さまは寛大です!
「僕たち子どもは、
生きることの意味を知っているけれど
大人は、どんなことも数字で判断してしまう。
だけど、責めてはいけない。
子供は大人に対して寛大でなければならない!」
そして次の文につながります。
「Mais, bien sûr, nous qui comprenons la vie,
nous nous moquons bien des numéros!
=生きていることの意味がわかっているものには
数字なんてどうでもいい」
内藤濯さんの訳は
「だけれど、ぼくたちには、ものそのもの、
ことそのことが、たいせつですから
もちろん、番号なんか、どうでもいいのです」

理屈ではない、数字ではない、
ありのままにものを見る…。
人の尊厳にかかわってくること。
王子さまが言うように
「数字なんかどうでもいい
人そのもの、存在そのものが大切」
そうありたいと願っています
とても厳しいメッセージだと思います。
- 星の王子さま
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「Le Petit Prince」サン=テグジュペリ著
初版以来、200以上の国と地域の言葉に翻訳されています。
(日本は1953年)
「かって子供だったことを忘れずにいる大人はいくらもいない」
著者からの深いメッセージです。
キツネと王子さまの会話から
「Il eût mieux valu revenir à la même heure, dit le renard.
Si tu viens, par exemple, à quatre heures de l'après-midi,
dès trois heures je commencerai d'être heureux.
je découvrira le prix du bonheur!」
「いつも同じ時刻にやってくるほうがいいんだ
きみが午後4時に来てくれると思ったら
3時にはうれしくなってしまう
時刻がたつにつれてもっともっと幸せなきもちになる
4時にはもう気もそぞろになってしまう
幸福っていうのがどんなことかわかるんだ」

その日その時間が幸せになるにはきまりがいる
Il faut des rites.
rite=儀式、慣習という意味ですが
内藤濯さん訳は”きまり”となっています。
名訳です…♪
”同じ時刻”ということが強調されています。
ただあてもなく待ち続けるということではなく
きまりがあれば、
「一つの日が他の日と違う、
一つの時間が他の時間とちがってくる」
保育園のお迎えの時間 ”もうすぐ!”と親を待つこども
家族の訪問を心待ちにしているお年寄り
週末になれば会えるカップル…等々
それぞれです…☆☆
- 星の王子さま
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主人公のぼくは、サハラ砂漠で遭難し、
そこで王子さまに出会います
ぼくと王子さまが、砂丘にすわり、
月に照らされた砂漠をながめています
大好きなシーンです!
「On ne voit rien. On n'entend rien.
Et cependant quelque chose rayonne en silence…
-Ce qui embellit le désert, dit le petit prince, c'est qu'il cache un puits
quelque part…」
何も見えない 何も聞こえない
だけど何かが静寂の中で光っているのです
「砂漠があんなに美しいのは」
と王子さまは言いました
「どこかに井戸を隠しているからだよ」
主人公のぼくは、王子さまのその言葉を聞いて思い出します
幼い頃に住んでいた古い家には
どこかに宝物が埋められてるという ”言い伝え” が残っていて
家中が、とてもすてきな魔法に包まれているようだったことを…☆

何十年も前にはじめて買った翻訳本
(ページがはがれかけ変色しています☆)
著者のサン=テグジュペリ自身も、飛行中に砂漠に不時着し、
奇跡的に遊牧民に救出されました
「星の王子さま」は、その体験から生まれたといわれています
VOL3に続く
- 星の王子さま
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「Le Petit Prince」星の王子さま
この本と出会ってから数十年、、
時間に追われ、一日があっという間に過ぎ
手に取ることも忘れている時期がありました。、
サン=テグジュペリは、
亡くなる1年前にこの作品を書き
友人に「これは僕の遺書だ」と語ったそうです。
歳を重ね、人生の節目節目で
この本を読み返すことがふえました。
読むたび、いつも読みきれてないと感じます。
いつまでも終わらないフシギな本です。

最初に日本で翻訳した内藤櫂さんは
あとがき(1953年記)に
「大人と子供が肩を並べて読んでほしい童話」と述べています
XXI 章 別れの場面
キツネから王子さまへの最後のメッセージ
よく知られたフレーズです。
Il est très simple
on ne voit bien qu'avec le coeur.
L'essentiel est invisible pour les yeux.
”それは、簡単なこと。
かんじんなことは心でみなくっちゃ、
目ではよくみえないものなんだよ”
私が生きていく心の支えになっていることばです!
VOL2に続く
- 星の王子さま
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